著:薬剤師 岡田憲人 プロフィール
もえぎの動物病院(神奈川県横浜市青葉区)の院長、後藤秀寛獣医師からいただいた症例の報告です。
できるだけ原文のまま紹介いたします。
シーズー 犬 14歳
2015年1月頃に左前肢に腫瘍ができ、5月上旬頃には4×7㎝程度まで増大。
左肘~前腕に及ぶ。5月上旬頃切除。病理組織検査で血管外膜細胞腫(以上、他院での話)
5月26日、当院初来院。
冬虫夏草特殊培養物、乳酸菌生成物質、ベンフォチアミンを開始。
同年12月、再発。2016年1月22日にオペ。約2センチ程度の大きさになっていた。
組織検査の結果は同じでした。
2017年1月、5mm程度の再発?→その後、大きさに変化なし。
同年7月頃、血尿で来院。膀胱炎、膀胱結石・尿道結石もあるが、治療後、症状消失。
再発予防のため、漢方薬を併用。
現在も状態維持。
局所浸潤性が強く、再発すると進行がどんどん早くなっていき、通常は外科で取り切らないと根治しないと言われている腫瘍です。
場所的にマージンをしっかりとるためには断脚しかありませんでしたが、断脚しないで長期間コントロールできています。
追伸
2019年3月
ずっと再発がなかったのですが、つい最近、1cm程度の再発(細胞診で確定済み)が見られました。
どうするか、次回の来院時に相談する予定です。
弊社からのコメント
先生もコメントされていますが、脚にできる浸潤性の高いがんは、再発を防ぐために一般的には断脚(足の切断)を考えなくてはなりません。
ただ、その後の生活、犬の幸せを考えたとき、必ずしもそれが良いかどうかは、簡単に決めることのできない難しい選択です。
何が最良であるかは後にならないとわからないとも言えますが、がんとの共存を目指し、がんを広げないという視点に立つとき、代替療法や免疫改善といった新しい選択肢が現れます。
このケースでは2回の再発がありましたが、いずれも腫瘍は広く浸潤せず、局所手術で対応できています。
もえぎの動物病院は、QOL(生活の質)を大切に考える飼い主様に、統合医療で応えてくれる動物病院です。
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