犬と猫の癌(がん)

リンパ腫の改善を目指すための知識

2017年7月22日

著:薬剤師 岡田憲人 プロフィール

ご愛犬ご愛猫の悪性リンパ腫を改善させたいとき、このページをお役立てください。

リンパ腫の治療効果を引き上げ、体のダメージを減らすための知識をお伝えいたします。

 

リンパ腫の基本的な知識に関してはこちらをご参照ください。

【治療の基礎知識】犬猫のリンパ腫

 

リンパ腫に関する知識(Q&A形式)

犬猫のリンパ腫治療については、たくさんの疑問や不明なことがあると思います。

抗がん剤のこと、ステロイドのこと、食事のこと、余命のこと・・・疑問が多すぎて、自分が一体何を悩んでいるのかすら見失いがちです。

 

ここでは、いただくことの多い質問をQ&A形式でまとめてみました。

獣医師からの説明の補足になれば幸いですし、ぜひとも前向きな治療に繋げていただきたいと思います。

 

治療を受けない場合のリンパ腫の余命は?

犬の多中心性リンパ腫を放置した場合、発症してからの余命は平均1ヶ月程度と言われています。

ただし「発症とはいつかのことか?」が明確ではありませんので、あくまで参考に留めるべき数字だと思います。

 

一般的にリンパ腫は進行の速い病気ですが、稀にとてもゆっくり進むタイプのリンパ腫もあります。

数ヶ月、数年のあいだ、特に目立った悪さをしないリンパ腫があり、その場合は必ずしも治療を急ぐ必要がありません。

あわてて抗がん剤治療を開始したために、副作用でむしろ悲しい結果になってしまうこともありえます。

そのようなことにならないよう、まずは体に負担のない取り組みから開始しておくべきでしょう。

 

治療を受けたときのリンパ腫の余命は?

犬の多中心型リンパ腫にウィスコンシン-プロトコールによる抗がん剤治療を施したとき、寛解に持ち込めた犬に限れば平均余命は1年という数字があります。

そのときの寛解率は60%以上とのことです。

 

ここから私の薬剤師としての意見ですが、現場の獣医師や飼い主様の話を聞いてきた限りこの数字はかなり甘いと思います。

そして、強烈なウィスコンシン-プロトコールの副作用に耐えられず、途中で治療を断念する犬たちのことを考えると、1年とか60%という数字が実態からかけ離れているように思えて仕方がありません。

 

そもそもウィスコンシン-プロトコールは完遂までに6ヶ月を要する長大な治療プログラムです。

途中リタイアする犬が相当数いるはずですが、その子たちはどうなってしまったのかを考えてみることも必要です。

 

副作用に耐えられるように体力づくりをすることと、免疫低下を防止するための取り組みが大切になってきます。

 

犬や猫は抗がん剤の副作用が出にくいの?

人に比べて犬や猫には抗がん剤の副作用が出にくいと言われ、動物病院でそう聞かされた方もいらっしゃるでしょう。

ですが本当に副作用が出ないのでしょうか。

いくつかの理由や原因が推測できるので挙げてみます。

  • 抗がん剤の感受性が人に比べて低い可能性がある
  • 軽度な副作用(手足のしびれ、だるさ、吐き気など)を訴えないために見逃している
  • 犬猫たちは抗がん剤の危険性を知らないために「危ない薬」という思い込みがない
  • 飼い主を喜ばせるために体調の悪さを極力隠している

おそらく飼い主を心配させないように、もしくは悟られないようにと我慢している犬猫は多いでしょう。

見るからに体調が悪くなるときは、もう限界を突破した時かもしれません。

 

「限界を越えるまでは大丈夫」という考え方では、危険ラインを超えてから「やりすぎた」と気づくことになります。

危険ラインは本来超えてはいけない一線のはずです。

過去数回の血液検査値を並べてみて、もし「次に抗がん剤を打ったら危ない」と感じるとき、一か八かでチャレンジするよりも一回休んだほうが良いと思います。

 

抗がん剤はいつまで使い続けるべき?

難しい質問であり、獣医師の中でも推進派と慎重派で意見が分かれます。

次のような考え方があります。

  • 犬や猫の体力が持つまで続ける
  • 寛解するまで続ける
  • すべての抗がん剤を試すまで続ける
  • 最初の抗がん剤だけは続ける
  • 決められたプロトコールに沿って続ける
  • 辛そうな副作用が出るまでは続ける
  • 血液検査値が正常な範囲なら続ける
  • 費用の続く限り続ける

抗がん剤はメリットを得られたとしても、相当のデメリットつまり「副作用という代償」を払う治療です。

まさに両刃の剣そのものです。

 

犬猫のリンパ腫治療にはいちおうマニュアルがあり、基本的には中断を許しませんが、それはけして強制されるものではありません。

止める止めないの二択ではなく、「少し休憩させてあげる」と考えれば中断も前向きなものになります。

 

中断すると治療の効果が低下するとの意見もあれば、休憩を入れて体力と免疫力を回復させたほうが効果が高まるという考え方もあります。

少しの休憩は、それまで張り詰めていた「あなたの心の休憩」になるかもしれません。

 

抗がん剤が家族に与える影響とは?

犬や猫に投与された抗がん剤は長く体内に留まりつつ、一部は分解されないまま体外に排泄されます。

特に治療当日から数日間は多く、その後も長い期間にわたって排泄され続けます。

 

私は薬剤師なので当たり前の知識ですが、動物病院から十分に説明を受けていない多くの飼い主様がその危険性を認識していません。

以下のことに気をつけ、大切な家族や周囲の人々の健康をお守りください。

  • 犬や猫を小さな子供に触れさせない(とくに乳幼児)
  • 顔などを舐めさせない
  • 一緒にお風呂に入らない(とても危険)
  • 服を一緒に洗わない
  • 糞尿や嘔吐物を処理するとき手袋を着用する
  • トリマーさんにも手袋の着用をお願いする
  • 部屋を換気をする(特にシクロホスファミド投与中)
  • 多頭飼いのとき、水や食事の皿を別にする
  • 妊婦はぜったいに犬に近づけさせない
  • 近々子供を望んでいる男女を近づけさせない

抗がん剤の微量被爆という問題は、そもそも病院の医療スタッフが微量の抗がん剤を浴びることによる健康被害の問題です。

それが抗がん剤治療中の犬猫がいる家庭内でも起こりえます。

ちなみに薬剤師が抗がん剤の点滴を調剤するときは防護服や防護マスクで身を守り、微量被爆を防いでいます。

 

ほとんどの抗がん剤には強烈な発がん性があるため、微量であっても抗がん剤に触れることは将来がんになる可能性を高めます。

催奇形性といって、お腹の中の赤ちゃんにも影響があります。

 

残留農薬が原因というページを読みましたが、本当?

私は残留農薬とリンパ腫には関連があると考えています。

ドッグフードやキャットフード、手作り食でも、残留農薬のことを気にしてください。

 

農薬に発がん性があることは間違いありません。

ただ日本は残留農薬の基準が厳しいから大丈夫だという考えが常識化されています。

 

いままでに国が大丈夫だと言っていたことで、ダメだったことは数多くあります。

農薬もその1つかもしれません。

 

農薬については、このようなページも書いています。

犬猫を襲う農薬!発がんの原因とする説

 

野菜はよく洗って、生よりも茹でたほうが良いです。

ビタミンが失われることが気になるかもしれませんが、茹で汁は捨てましょう。

 

リンパ腫治療をより良くする方法

リンパ腫になってしまうと、一般的には抗がん剤治療を受けることになります。

ただ実際には、抗がん剤治療を控えながら健康を維持する子がいることも確かであり、抗がん剤抜きの治療を施す動物病院もあります。

 

リンパ腫治療で役立つ治療法をいくつかご紹介します。

ひとつひとつは弱いかもしれませんが、それぞれを組み合わせることで真価を発揮したり、抗がん剤治療を補強する(補完代替療法)として大いに意味があります。

また体へのダメージが少ない、もしくは完全にないことが共通の特徴です。

オゾン療法

動物病院で受けることのできる治療です。

少量のオゾンガスを肛門から注入するだけの簡単な治療ではありますが、実施している獣医師からはQOL(生活の質)を高めることができるとの意見をよく聞きます。

なおQOLが低下してしまうと、免疫の働きまで悪くなり、リンパ腫を抑えにくくなってしまいます。

 

医療用オゾン発生器のメーカーさんからもリンパ腫治療で役立つことを直接教えてもらいました。

こちらのページで詳しく紹介しています。

犬猫のオゾン療法

 

高濃度ビタミンC点滴療法

ビタミンCを大量に体に入れるとき、がん細胞を叩く働きがあります。

口からは摂取しきれないほどの量が必要となるために、点滴によって投与されます。

 

実施されるのはほとんど犬で、猫にはあまり使われません。

劇的な改善は1割程度にとどまると思いますが、QOL改善としてみると多くの犬にメリットが有るでしょう。

こちらのページもご参照ください。

高濃度ビタミンC点滴療法

 

食事栄養療法

リンパ腫が進行してくると貧血になってきたり、アルブミン低下を伴う体力低下がみられたり、さまざまな症状が出てくるようになります。

それを食事の工夫で阻止したり、遅らせようとするのが食事栄養療法です。

 

 

健康成分の研究

弊社ではペットを病気から守る健康成分を研究しています。

こちらでは肝臓の代表的な検査値であるALT(GPT)とALPについて、動物病院から提供していただいたデータを基にグラフ化しております。

詳しい解説はこちらのページから

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