著:薬剤師 岡田憲人 プロフィール
近年、犬や猫のがんが多発しています。
私は農薬をはじめとする化学物質が、犬猫たちの発がんの原因のひとつになっていると確信しています。
農薬は強烈な毒性を持つ化学物質であり、体内に入れれば確実に健康を害します。
発がんリスクを高め、特にリンパ腫を引き起こすであろうと、私は警戒しています。
農薬は発がん性物質であり危険です。
ご愛犬、ご愛猫を農薬の危険から守ってあげてください。
農薬の危険性
農薬にはいくつものタイプがあります。
そのなかで犬や猫たちの健康を大きく損なう可能性があるのは次のようなタイプの農薬です。
- 殺虫剤(蝶や青虫、ダニ、カメムシ、アブラムシを殺す)
- 殺菌剤(かび病、うどんこ病、いもち病の病原菌を殺す)
- 除草剤(都合の悪い植物を枯らす)
もしこれらの原液を誤って飲めば、命を落とすほどの重大な事故になります。
将来の健康がどうのこうのではなく、数日内に生命の危機が訪れます。
農薬は薄めれば薄めるほど、その危険性が低下していきます。
散布中の農薬ならば、吸い込めば頭痛や肝臓障害を起こしますが、すぐに命を落とすことはありません。
薄い農薬を長期間摂取したときに問題になるのは、その発がん性です。
農薬に発がん性があるのはあきらかなことです。
健康人の体内でも毎日数千個のがん細胞が生まれるとされていますが、もし農薬を浴びるようなことがあれば、その数は一気に増えるでしょう。
毎日3千個のがん細胞が生まれているとしたら、それが3万個や30万個に増えるかもしれません。
もちろん犬や猫でも同じことが起きます。
農薬を浴びることがなくても、農薬を含む水を飲むと危険です。
飲ませてはいけない農薬入りの水
次のような水には高濃度の農薬が含まれているかもしれません。
飲ませないようにしてください。
- たんぼの水
- 田畑の近くの水たまり
- 果樹園近くの水たまり
- ゴルフ場近くの水たまり
- 都市部公園の水たまり
都市部公園は意外に思われたかもしれません。
これは農薬というよりも殺虫剤です。
最近は都内でも公然と殺虫剤が撒かれることがあります。
そうです、デング熱騒動を起こした蚊を駆除するためです。
こちらにも関連する話を書いています。
残留農薬の危険性
残留農薬とは、野菜や果物に付着して残っている農薬のことです。
私たちも、犬も猫も、食事のたびに農薬と接しています。
もちろん日本の農作物には残留農薬の厳しい基準があり、おそらく多くの皆さんは安全だと信じているでしょう。
ところが海外の国々と比べるとき、日本の農薬使用量は異常に多いことがわかります。
日本は中国、韓国に次いで世界第三位の農薬使用国です。(少し前のデータです)
アメリカに比べると、5~8倍の使用量というデータがあります。
ドッグフードやキャットフードはどうでしょう。
農薬ができるだけ少ない野菜を使っていると思われますか?
人より安全な野菜をペットフードに使うという発想は、この世界では間違った考え方です。
もちろんオーガニックをうたった、農薬が少なそうなペットフードもあります。(無農薬ではないでしょう)
キャベツの外側の葉は与えない
残留農薬を減らすことは可能です。
ペットフードでは無理ですが、まずは野菜や果物を洗うことです。
水洗いするだけでも、ある程度は農薬を減らせるでしょう。
ホタテを原料にした野菜用の安全な洗剤も売られています。
それよりも、もっと効率的に簡単に残留農薬から犬猫たちを守る方法があります。
私の描いた拙いイメージをご覧ください。
キャベツのような球状の葉物野菜の場合、農薬が多いのは外側の葉の部分です。
もったいないからといって犬や猫に与えている方はいらっしゃいませんでしょうか?
蝶が卵を産み付けるのは中心部ではなくて、外側の葉です。
卵が孵って幼虫が最初に食べるのは、やはり外側の葉です。
外側の葉を犬猫たちに与えていると、おそらくがんのリスクが上昇するでしょう。
がん以外の病気、神経障害、アレルギー、皮膚炎、喘息、肝臓病、腎臓病なども増えると思います。
外側の葉には栄養が詰まっているという話を聞きますが、それは本当かもしれません。
ただし、外側の葉を食べると健康になるというのでしたら否定します。
キャベツはビタミンの補給源として健康に貢献する食品で、私もよく奨めています。
もちろん外の葉を与えないことも併せて伝えています。
リンゴの皮は与えない
私がキャベツの外側の葉と同様に警戒している食品はリンゴです。
リンゴの皮付近の残留農薬が心配です。
果実類はちょっとでも虫食いがあると商品価値がゼロになってしまうため、一様に農薬を多く使う農作物です。
もちろんリンゴも大量の農薬に守られて育ちます。
リンゴの皮は食事の彩りに華を添えますが、あまり口に入れるべきではありません。
リンゴを皮ごと食べて良かったのは、もうずっと昔の話です。
がんの相談をたくさん受けてきたなかでも、犬にリンゴの皮を与えている飼い主さんが何人もいらっしゃいました。
皮が大好きで、剥いてる側からねだってくる子もいました。
くれぐれもリンゴの皮は与えないでください。
農薬の影響が疑われる症状
次のような症状がいくつもあてはまるとき、もしかすると農薬による健康被害かもしれません。
- たびたび痙攣が起こる
- だんだん凶暴になってきた
- 原因不明の吐き気、嘔吐
- アレルギー、皮膚炎、脱毛
- GOT(AST)やGPT(ALT)の上昇
- 目や肌が黄色っぽい、ビリルビン上昇
- がん(特にリンパ腫)
- 免疫力が低下してきた
これらの症状を農薬に原因があるとは断定しませんが、口にするものを一度点検してみるべきだと思います。
農薬ではありませんが、いつまでも腐らないジャーキーや虫の寄り付かないフードには、おそらく何かが入っています。
肝臓の数値が気になるとき、こちらをご参照ください。
化学物質の一部は、脳や神経を侵し、肝臓や腎臓を破壊します。
犬猫たちのQOLを低下させ、寿命を短縮させます。
もし動物病院で原因不明だと言われたら、食事を変えてみてください。
応援いたしますので、わからなくなったらご相談ください。
知り合いの獣医さんのワンコの食事を紹介いたします。
ここまでやらなくて良いですので、参考になると思います。
おわりに。
農薬が犬猫をがんにしているという説は私の個人的な見解です。
根拠となるデータは非常に少なく、私の経験や、農家への聞き取り、先進的な獣医師の話をもとに書き上げました。
ただ現実問題として、キャベツ畑からは蝶が消え、水田からはトンボが消え、各地のミツバチが農薬による損害を被っています。
私がまだ無知なころ、飼っていたハムスターや小鳥たちにキャベツの外側の葉を与え続け、鼻のあたりに大きな腫瘍を作ってしまいました。(申し訳なく思っています)
ハムスターのエサであるヒマワリの種に農薬が大量に残っていると指摘する獣医師もいます。
信じていただけるのであれば、ぜひこのページを参考にしてご愛犬とご愛猫の健康のためにお役立てください。
発がんだけは何としても予防しなくてはなりません。
がんは想像以上に治しにくい病気で、いま犬猫たちの死亡原因の第一位です。
農薬は発がん物質であるだけでなく、免疫を狂わせる化学物質です。
がん予防と免疫には深い関係があること、ぜひ頭に入れておいてください。
参考ページ:【犬と猫のがん】治療前に学ぶ基礎知識
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