GPT変化グラフ元気・健康を取り戻した犬猫たちの紹介、グラフデータはこちらです。解決のヒントになれば幸いです。

犬と猫の癌(がん) 自然療法、次世代療法

犬の癌治療を補強する高濃度ビタミンC点滴療法

2017年1月7日

著:薬剤師 岡田憲人 プロフィール

抗がん剤がつらいとき、新しく優しい自然療法

犬の癌治療に使われ始めている高濃度ビタミンC点滴療法について紹介いたします。

高濃度ビタミンC点滴療法は、大量のビタミンCを点滴によって体内に入れ、その酸化還元反応で生成する抗がん物質を利用した治療法です。

 

最大の魅力は、その極めて高い安全性です。

癌細胞を叩く力は抗がん剤に比べて弱いものの、副作用がほとんど発現しないという大きなメリットを持っています。

そのため以前より人の癌治療に応用されてきており、近年になり犬の癌治療に導入する動物病院も少しずつ増えてきています。

 

高濃度ビタミンC点滴療法は、がんの3大療法ではないため、自然療法(ホリスティック治療)や代替療法などに分類されます。

栄養素であるビタミンを用いるので、古くはメガビタミン療法と呼ばれ、栄養療法、分子整合栄養療法のジャンルに含まれます。

日本での普及が遅れていることから、先進的な治療と位置づけることもできるでしょう。

高濃度ビタミンC点滴療法を受けられる動物病院

残念なことに高濃度ビタミンC点滴療法を受けられる動物病院はとても限られています。

全国の動物病院のうち、実施している動物病院はおそらく5%にも満たないでしょう。

 

治療の安全性を確保するために、ある程度の知識や技術を必要とします。

私の知り合いには、高濃度ビタミンC点滴療法を実施している獣医師たちが複数います。

治療の概要や実績についてはずいぶんと学びましたので私も解説できます。

関心のある方はどうぞお問い合わせください。

メリットは安全性、デメリットは抗腫瘍効果

高濃度ビタミンC点滴療法は、抗がん剤と比べられることが多い治療法です。

点滴で体内に入れるという点では似ていますが、抗腫瘍効果(抗がん作用)や安全性において明らかな差が見られます。

 

抗がん剤治療と高濃度ビタミンC点滴療法の比較表にしてまとめてみました。

 項目抗がん剤高濃度ビタミンC点滴療法
抗腫瘍効果強力腫瘍縮小割合10%程度
骨髄抑制
免疫低下
ほぼ確実に発生ほぼ起こらない
肝臓の障害
腎臓の障害
しばしば発生ほぼ起こらない
※高度腎障害には適応外
食欲不振
吐き気
しばしば発生ほぼ起こらない
味覚障害
嗅覚障害
発生しやすいと考えられるほぼ心配ない
しびれ
めまい
発生しやすいと考えられるほぼ心配ない
治療による死亡リスク
ショック死リスク
高い低い
精神障害起こり得るほぼ心配ない
発がん性極めて高いない
家族の発がんリスク
※排泄物の接触による
増加ない

御存知の通り、抗がん剤は高い抗癌作用を持つ反面、正常細胞や免疫細胞までも破壊してしまうというジレンマを抱えた薬剤です。

続けていくうちに体内に抗がん剤が蓄積すると様々な副作用が発現するようになり、多くの犬に生活の質の低下(QOL低下)が見られるようになります。

 

一方、高濃度ビタミンC点滴療法にはそのような心配がほぼありません。

とは言っても、単独では腫瘍を破壊する効果に注目すればとても抗がん剤には及びません。

しかし抗がん剤と併用することで相乗効果を狙ったり、抗がん剤の副作用を軽減して生活の質の低下を防ぐことも期待できます。

応用性の高い治療法とも言えるでしょう。

安全性がもたらす様々なメリット

高濃度ビタミンC点滴療法は、安全であるがゆえに様々なメリットを持つ癌治療法です。

犬の体力が低下していたり、持病で抗がん剤治療が受けられないときであっても、高濃度ビタミンC点滴療法ならば受けられる可能性が十分にあります。

これは私見ですが、抗がん剤治療に比べて、高濃度ビタミンC点滴療法が犬の体に与えるダメージは100分の1以下でしょう。

 

ここで高濃度ビタミンC点滴療法のメリットについて列挙してみます。

  • 様々ながんに適応する
  • 痛みはほとんどない
  • 体を傷つけない
  • 抗がん剤と併用できる
  • 抗がん剤の副作用軽減を期待できる
  • いつもの生活のまま
  • 入院の必要がない
  • 散歩もOK
  • 食欲増進作用
  • 元気回復
  • 感染リスクが増加しない
  • 転移・再発の予防が期待できる
  • がんの進行を遅らせる
  • 生存期間延長が期待できる
  • 人の治療にも使われている
  • 発がん性がない

 

デメリットは治療回数や費用

もちろんデメリットもあります。

前述の弱い抗がん作用だけでなく、他にもいくつかのデメリットがあります。

  • 少なくとも週1回の点滴を受けるための通院が必要
  • 専用のビタミンCを用いる必要がある
  • 数十グラム(数万mg)のビタミンCを点滴で入れる
  • 比較的治療費が高め
  • 実施する動物病院が近隣にない可能性
  • 特に地方の実施動物病院が少ない
  • 腫瘍が縮小してくれる犬は10頭に1頭くらい
  • 1000頭に1頭以下ではあるが、副作用が発生する
  • 高度な腎臓障害では使えない

治療費は動物病院によって異なります。

また犬の体重によってビタミンC量が異なります。

おおむね1回1万円程度を目安としてください。

自然療法の中では少し高めの治療費かもしれませんけれども、抗がん剤と比較すればけして高くありません。

ちなみに抗がん剤治療では、副作用による入院や薬物治療の費用が加わることも多く、半年で50万円~100万円かかるケースも珍しくありません。

なぜ効くのか?ビタミンCのがん細胞に対する働き

ビタミンCの抗がん作用のひとつは、酸化還元反応で生じる過酸化水素の働きにあります。

大量のビタミンC投与によって生成される過酸化水素は、体を傷つけかねない酸化物質という意味で有害です。

 

しかし正常細胞にはその防御手段としてカタラーゼという酵素を備えています。

カタラーゼが過酸化水素を分解する能力は非常に高く、そのため正常な細胞が破壊されることはありません。

 

一方で、癌細胞はこのカタラーゼの製造能力が欠損していることがあります。

そのため癌細胞ばかりが過酸化水素に狙われ、繰り返しのダメージによってボロボロとなっていくのです。

 

攻撃によって傷ついた癌細胞の中には、増殖できなくなったり、死んでしまうものも現れます。

その結果として、がんの進行が抑制されるのです。

 

なおビタミンCの抗がん作用は、上記以外にもコラーゲン産生促進などが関わり、複合的なメカニズムを有すると考えられます。

いずれにしても正常細胞にとって無害ですし、それは実際の臨床で十分に確かめられています。

 

高濃度ビタミンC点滴療法により救われた犬の一例

高濃度ビタミンC点滴療法の実例は、直接獣医師たちから聞いたり、学会での症例報告から複数知っていました。

そのなかでも記憶に残っている実例を1つご紹介いたします。

 

以前、ある知り合いの動物病院から犬の末期がん治療について助言を求められたことがありました。

その子は脳に腫瘍があり、状態も良くなかったため、もう厳しいだろうという見立てでした。

 

状況を聞けば聞くほど通常のマニュアル治療では打つ手がないと感じたため、私はすぐに別の知り合いの動物病院に連絡を取り、調整を済ませて転院をお願いしました。

転院先の動物病院は埼玉県入間市にあるアリスどうぶつクリニックです。

アリスどうぶつクリニックの廣田順子先生は、動物医療に高濃度ビタミンC点滴療法を持ち込んだ先駆け的な人で、すでに多数の実績があり、私も絶大な信頼をおいている獣医師です。

 

しばらくして廣田先生から連絡がありました。

「なんとか回復してくれた。間に合ったみたい。」

 

電話越しの朗報に、嬉しさのあまりに心が震えたのと、転院までしてもらい飼い主様に苦労をおかけした責任を果たせた気がして、すこし泣きそうな気分になったことを今でも思い出します。

 

最初の動物病院も素直に喜んでくれました。

「信じられないけど信じるしかない。だけど良かった!」

 

みながみな奇跡を掴み取れるとまでは言えませんが、可能性を信じて良い治療に出会えたとき、良い人たちに会えたとき、チャンスが巡ってくることがあります。

そして私はいままでの経験から、チャンスを引き寄せる最大の力は飼い主様の行動力だと思っています。

薬剤師から見た、高濃度ビタミンC点滴療法の有用性

私、岡田は薬剤師でありながら、動物病院のスタッフでもあります。

人の医療、動物の医療、腫瘍学、免疫学、栄養学を強い関心を持って学んできました。

 

獣医師たちとの情報交換から、高濃度ビタミンC点滴療法を単独で用いるには弱いと思っていますが、他の治療と組み合わせたり、適切にケースを選ぶとき、非常に有用な治療法だと考えています。

その高い安全性により、他の様々な自然療法や栄養療法と組み合わせやすく、相乗効果を狙うことができます。

手術直後から使用して再発・転移の抑制を期待したり、体力低下の目立つシニア犬、肝機能が悪くて抗がん剤を選択できないときは、適切なケースだと言えるでしょう。

 

そもそも抗がん剤を出来る限り使いたくないという人は、私を含めて大勢いると思います。

そのような方々にとって、高濃度ビタミンC点滴療法はとても頼もしく感じるかもしれません。

 

 

-犬と猫の癌(がん), 自然療法、次世代療法

Copyright© メディネクス研究所 , 2022 All Rights Reserved.