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犬猫のメラノーマ、完治を目指すための知識

岡田憲人この記事を書いたのは岡田憲人(薬剤師)
プロフィール

メラノーマの対策には、適切な検査や治療はもちろん、飼い主様の取り組みも重要になってきます。

このページが、ご愛犬、ご愛猫の治療にお役立ちすることを願っております。

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メラノーマとは

メラノーマは皮膚がんの一種に分類され、悪性黒色種とも呼ばれる病気です。

メラノーマという名前は皮膚のメラニン細胞、メラニン色素(シミやホクロの色)から由来しています。

そのメラニン細胞ががん化して悪性腫瘍となったものがメラノーマです。

 

メラノーマは犬に多く発生し、猫には比較的少ない傾向があり、そして他のがんと同じく高齢になるほど発症の危険度が増します。

口腔内(歯茎や歯肉)や皮膚に発生することが多く、しだいに広がっていきます。

初期の頃は痛みがなく、見つけてもシミと区別がつかずに見逃しがちですが、成長してくると口腔内の出血、皮膚の盛り上がりで気づきます。

 

メラノーマの良くないパターンの1つは肺への転移です。

呼吸困難や咳が気になるときはもしかすると進行している可能性があるために要注意です。

 

肺転移が起こらない場合でも、大量に増えたがん細胞に体のエネルギーをもっていかれ、だんだんと衰弱していきます。

栄養不良に伴う免疫低下が起こると、感染症にかかりやすくなったり、がんの進行がさらに加速してしまいます。

 

 

メラノーマの初期症状と、早期発見するために

メラノーマは一般的に、ほくろのような円ではなく全体的に黒く不規則な形をしていたり、境界線が不鮮明であったりして、ある程度の見分けがつくことがあります。

さらに周囲の皮膚に比べてやや硬かったり、大きいとき、あきらかに広がっているときは要注意です。

シミとは違うと感じたら、動物病院を受診してください。

 

出血や咳が出ているときは、すでに進行して肺転移を起こしている可能性があります。

ですがそれらの症状だけで見れば、他の病気の可能性も十分にあります。

自分でメラノーマと決めつけてしまわずに、早めに獣医師に診てもらうことをおすすめいたします。

 

 

メラノーマの発生原因

メラノーマが発生する原因はすべて解明されているわけではありませんが、1つは繰り返される刺激だと考えられます。

硬いフードを勢い良く食べることは、口腔内メラノーマの発生と関わりがあるかもしれません。

食事中の添加物による化学的な刺激も影響があるかもしれません。

 

人の場合、強い紫外線とメラノーマの発症には関連性があると言われています。

また足裏にできることも多いのは、歩行による物理刺激が関係していると考えられています。

 

ですのでメラノーマを刺激すると状況が悪くなりやすく、実際に飼い主様から聞いたり、獣医師からもそのように教わっています。

気になって押しつぶしたい気持ちはよくわかりますが、ぐりぐり押しこんだり、つまみあげたりしないほうが良いです。

 

そしてもう1つ、メラノーマが発生する原因は免疫力の低下です。

本来であれば免疫によってメラノーマは駆逐されるはずですが、発症してしまうということは免疫が正常に機能しなかったことを示しています。

 

 

メラノーマの検査、診断

飼い主様の観察力は早期発見に役立ちます。

しかし本当にメラノーマなのか、シミや他の皮膚病なのかを見分ける判断は、専門家に委ねるべきです。

 

動物病院では皮膚から細胞をとって調べる検査をしてくれます。

この検査を細胞診と言います。

たいていの場合、専門の検査機関に送って詳しく分析してもらいますので、一週間程度の時間がかかることは想定しておいてください。

 

送り返されてきた分析書をもとにして、獣医師が診断名をつけます。

これが確定診断です。

 

なお血液検査でメラノーマを発見したり、診断することは困難です。

もしメラノーマが原因で血液検査値に異常が現れたとしたら、すでに進行していて臓器がダメージを受けていたり、悪液質になりかかっているケースが考えられます。

 

 

メラノーマの治療

一般的なメラノーマの治療は手術です。

放射線治療や抗がん剤治療を受けることもできますが、有効性や再発率、後遺症や副作用を考えると手術には及ばないでしょう。

 

 

メラノーマの手術について

メラノーマの治療で優先されるのは手術です。

手術でメラノーマをすべて切除することができれば、一生再発しない完治を狙うこともできます。

 

ただし目に見える部分を切除するだけでは、ほぼ確実にメラノーマを取り残してしまい、高い確率で再発してしまいます。

なぜならば、目に見えなくても周囲にがん細胞が浸潤しているからです。

ですのでメラノーマは広めに切除します。

 

黒い病変部位をすべて取ることはもちろん、周囲も許される限り切除します。

このように、がん(腫瘍)を含めて広めに切除・摘出することを「マージンを取る」と言い、完治を狙う手術の基本です。

 

しかしメラノーマは口や足に発生しやすくマージンを取るための代償として、アゴの切断や脚の切断(断脚)といった、つらい決断を迫られることがあります。

もちろん年齢や体力など、様々な理由によりマージンを十分に取れないケースもあります。

 

かといってマージンを取らなければ再発しやすくなりますから、どのような手術を受けるかを獣医師と十分に話し合い、よく検討したうえで判断して頂きたく思います。

納得せずに即決しまうと、もしかすると後悔してしまうかもしれません。

 

 

放射線治療

つらい決断を避ける治療法として放射線治療が挙げられます。

放射線治療でメラノーマが完治するかと言えば難しいかもしれませんが、アゴや脚の切断を避けることのできる治療方法です。

 

ただし放射線治療は一般の動物病院には設備がありませんので、大学病院などの大きな施設に通うことになります。

また複数回の全身麻酔が必要となり、治療のストレスは手術よりも大きくなるかもしれません。

過剰なストレスが免疫を低下させることは明らかですので、治療全体への影響も考慮しておく必要があります。

 

 

抗がん剤治療

メラノーマに対して、抗がん剤はあまり反応しません。

そのため抗がん剤治療は一般的ではなく、無理に実施すると副作用ばかりを被ることになりかねません。

 

もし提案されるとすると、肺などに転移していて手術では対応できないときが考えられます。

実際に受けさせるかどうかは、本当にメリットが得られるのかよく検討しなくてはなりません。

 

 

メラノーマの治療は一長一短

完治率の高い手術を受けるのメリットとデメリット

メラノーマの治療において、手術は最も完治の可能性が高い治療法です。

メラノーマに限りませんが、手術によって全てのがん細胞を取り除くことができれば再発の可能性はほぼゼロになります。

手術はペットへの負担が大きいとお考えの方は多いかもしれませんが、実際の治療時間は極めて短時間のためペットの負担は少ないと言えます。

 

このように手術には大きなメリットもありますが、その反面デメリットも存在します。

犬に多い口腔内メラノーマの手術では完治を狙う時、上アゴもしくは下アゴを全部切除しなければならないケースがあります。
この場合パートナーの見た目を大きく変えてしまうので、飼い主様は辛い決断をしいられることになります。

 

また実際にはメラノーマはごく初期の段階から、血管を通して離れた場所にわずかな転移を起こしていると言われています。

そのため手術でがん細胞を完全にゼロにすることはできません。

特に肺転移を起こしてしまった場合は、せっかく受けた手術の意味合いが薄らいでしまうことがあります。

パートナーの見た目を損なわない治療法

部分的な切除手術や抗がん剤治療、放射線治療を選択した場合、アゴを切断するといった、見た目を損なう大きな代償を避けることができます。

ペットの容姿が維持されますので、これらの治療法を選択される飼い主様も少なくありません。

 

もちろん、これらの治療法にもデメリットは存在します。

部分的ながんの切除手術の場合、どうしてもがん細胞の取り残しが多く発生します。残ったがん細胞が再び増殖してしまい再発する可能性が高いと言えるでしょう。

 

そして抗がん剤や放射線治療は、メラノーマの治療に対してあまり効果的とは言えません。これらの治療はどうしても複数回に及ぶため犬猫たちの体力や免疫力を削ってしまいます。

免疫を低下させながらの治療は、実際には思ったような効果が得られません。

 

手術の効果を高めるための取り組み

前述の通り、メラノーマの治療にはメリットとデメリットが混在します。

しかし、どのような治療を選択するにしても、考えていくべきことがあります。

がんの再発やこれ以上の進行を阻止するために、ご愛犬ご愛猫の免疫力を引き出すことです。

 

がん治療が功を奏すると、まさに完治したような状態になります。

ただ実際には目に見えないがん細胞が体に広がっていますので、再発率を下げるためにはそれらがん細胞を再び成長させないための取り組みが必要です。

メラノーマの予後を改善させるための免疫力

なぜメラノーマができてしまうのか。その大きな理由の一つは、ペットたちの免疫力低下にあります。

本来がん細胞は動物の体内で毎日発生するためいつでも存在しています。
しかしがんにまで発展しないのは、体に備わる「免疫機能」が毎日がんを攻撃し倒していくれているからです。

このような免疫の働きのおかげで、犬猫たちもそして我々人間も、簡単にがんを発症せず健康でいられるのです。

 

つまり、がんの成長を抑え再発や転移を防ぐためには、体に備わる

免疫力を日々高め、維持していくことが必須と言えます。

 

 




 


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公開日:2017年9月21日

更新日:2018年9月6日