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ペットフード選びで悩む前に、その本質を知っておこう

2016年3月24日

インスタント食品

著:薬剤師 岡田憲人

多くの方がペットフードの選択に迷っていらっしゃいます。

悩む理由は、ご愛犬やご愛猫が「好まない」「食いつきが悪い」「便がゆるくなったり硬くなったりする」「毛並みが変わる」「獣医師に変えるように言われた」とさまざまでしょう。

 

そして悩む要素も盛り沢山です。

タンパク質の量、脂質の量、防腐剤の量、パッケージのデザイン、プレミアムの表示、味付け、価格、クチコミ・・・と。

 

しかし、悩む前にこれだけは知っておいてください。

犬猫たちの健康を重視するとき、市販のドッグフードやキャットフードは最適な食事ではありません。

 

最適な食事を突き詰めて考えるとキリがないのですが、少なくともペットフードではありません。

それはなぜか。

それはペットフードの本質を知ることで理解できるでしょう。

 

 

ペットフードの本質はインスタント食品

ここからは、市販されている一般的なドッグフードやキャットフードのことを指して、ペットフードと言うことにします。

缶詰タイプではなく、ドライタイプをイメージしてください。

 

ではさっそくペットフードの本質を簡潔にお伝えします。

 

ペットフードとは、私たちが食するところのインスタント食品です。

つまり食事の手間を減らすことを追求した即席食品です。

 

みなさまにわかりやすいと思って、まずインスタント食品と言い切りました。

たださすがにペットフードが即席ラーメンや乾パンと同等とは言いません。

 

ですのでジャンルをもう少し絞ってお伝えいたします。

ペットフードは、我々の食べる「栄養バー」のようなものです。

 

栄養バーとは、テレビCMでよく見る棒状になった栄養食品です。

一本で何キロカロリー摂れるとか、朝食の代わりになると広告される栄養補助食品の類です。

 

ビタミンやカルシウム、鉄分が入ったりしてバランスが良い食品だと宣伝されています。

宣伝をどこまで信じるかは人それぞれでしょうが、でもまさか1日3食、365日食べる人はいらっしゃいませんよね。

 

それはなぜでしょうか?

それはきっと、みなさん感覚的にわかっているからです。

 

いくらバランスが良いと言っても、手料理のほうが優れていること。

もしすべての食事を栄養バーに置き換えれば、健康を害し、病気になり、長生きできない、ということを。

 

本当は私が人体実験をして根拠を示せれば良いのですが、ちょっとリスクが高すぎてできません。

実験というのは、1ヶ月間ほどの食事をすべて栄養バーにしたり、ペットフードにしてみることです。

 

これは予想ですが、1ヶ月だけでもこんな変化が出ると思います。

髪の毛のコシがなくなる、肌ツヤが悪くなる、お腹の調子が悪くなる、精神的に不安定になる、などです。

 

犬や猫たちも、我々と同じ哺乳類です。

どんなに優れたインスタント食品でも、それだけを与え続けることには必ずリスクがあります。

 

 

インスタント食品選びで悩みますか?

前述のとおり、ペットフードも栄養バーも大差ないことは事実です。

手軽さを追求した食品であり、健康を追求した食品ではありません。

 

だからといって私はペットフードを否定するつもりはありません。

なぜならばペットフードには大きなメリットがあるからです。

 

ペットフードのメリットは主に次の2つです。

  • 調理の手間がいらないこと
  • 保存性に優れること

 

特に保存性ですが、どんな手作り食もかなわない大きなメリットです。

開封後でさえ室温で1ヶ月以上保管できる食事など、ペットフード以外にありえないでしょう。

 

実際にペットフードに虫がわいたり、カビが生えたり、異臭を放つというトラブルはほとんど耳にしません。

湿気を避けて日光に当てない程度の配慮で保管できてしまいます。

 

しかし裏を返せば、それは十分量の保存剤が添加されている可能性があるということです。

ペットフードのメリットを維持するためには、虫が嫌がる成分、カビが生えにくくなる成分、脂質の変質を防ぐ酸化防止剤などの工夫が施されているのではないでしょうか。

 

それらの成分があまり健康に良いものではないことは、みなさんご存知のとおりです。

ですので、ペットフードを例えるなら栄養バーと言いましたが、もう少し心配な食品と考えられるかもしれません。

 

どんなに悩んでペットフードを選んだとしても、健康の追求には限界があることを何となくわかっていただけたと思います。

インスタント食品に手作り食の良さを求めるのは無理なことであり、そんなことを悩んでも仕方ないと割りきってペットフードを選んでください。

 

あまり悩み続けて、あなたの精神的なストレスになっていると、それを察した犬猫たちの調子が悪くなってしまうことさえあります。

飼い主様のストレスは、犬猫たちに何らメリットをもたらしません。

 

難しい悩みというものは、たいてい幾つもの問題が絡み合って複雑化しています。

ペットフード選びの悩みも同じことです。

 

過度に期待しすぎず、無理なことは無理だと割りきって選ぶ。

自分のインスタント食品を選ぶときに、頭を抱えるほど悩む人はいませんね。

そのスタンスです。

 

それでもペットフードは優れいている

ペットフードの強みは、それだけでおおよその栄養バランスが取れることです。

そのうえに取扱や保管が簡単で、さらには飼い主様を調理の手間から開放してくれます。

味付けも工夫してありますし、多くの面で飼い主様を悩ませません。

 

手作り食にもリスクはありますし、実際に電話相談を受けていますとちょっと危ないなと思う手作り食に出会うこともあります。

ですので私はペットフードをベースに、トッピングすることを推奨しています。

犬猫たちの体調をみながら、彼らの食いつきや目の輝きを見ながら食事をチューニングしていくわけです。

ここが飼い主様の腕の見せどころです。

ご愛犬、ご愛猫も、自分のために飼い主様が手を加えてくれたとわかれば、よりいっそう喜んで食べてくれるはずです。

追伸

私はペットフードの開発に携わったことがあります。

そのとき1週間くらいペットフードを食べ、自分の体で実験をしました。

 

もちろんすべての食事を置き換えたわけではなく、間食のような感じで仕事をしながらボリボリと食べるテストでした。

実際に食べてみることで、味や臭いはもちろんのこと、歯ごたえ、歯への付着具合、歯肉への負担など、いろいろなことがわかるのです。

 

ペットフードは危険だと書きましたが、このフードは特別でした。

防カビ剤などの危険な保存料を一切入れず、しかも使用していた肉は私たちが食べる精肉です。

 

おかげで何ら異常なくテストを終えることができました。

ただ保存性を高めるために徹底的に水分を抜き、カチカチのとても食べにくいフードでしたが・・・。

価格を抑えることも難しく、結局は発売に至りませんでした・・・。

 

みなさまは、けして真似をしないでくださいね。

特別なものを除き、大量生産されるペットフードには表示されていないリスクが必ず存在します。

 

私が食べていたドッグフードですが、ご興味がある方はチェックしてみてください!

売り込む気はありませんけど、おすすめです^^

http://dachs.jp/index.html

銀座ダックスダックス

ミニチュア・ダックス専門店と書いてありますけど、犬種は選びません。

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