食事・フード・栄養

犬にレバーを与えるとビタミンA中毒になるか

2016年4月26日

レバーの写真

ご愛犬の健康のために、レバーを与えている方はけっこういらっしゃると思います。

事実、レバーは「がん予防のビタミンA」や「貧血改善のヘム鉄」を多く含み、健康に役立つ優秀な食品です。

 

ただしタンパク源として肉のように毎日大量に与えるのは、もしかすると良くないかもしれません。

ビタミンAが体に蓄積しすぎた場合、中毒を起こす可能性があるためです。

ビタミンAによる中毒について

まずビタミンAは大きく2つに分けることができます。

これはぜひ覚えておきましょう。

  • 脂溶性ビタミンA(レチノール)
  • 水溶性ビタミンA(主にβ-カロテン)

中毒になるのは、脂溶性ビタミンAのレチノールです。

脂溶性は油に溶けやすいという意味で、体内に蓄積しやすいという性質を持ちます。

 

かたや水溶性ビタミンAのβ-カロチンは中毒の心配がありません。

もし犬に与えすぎたとしても、利用されずに排泄されてしまいます。

詳しくはこちらのページをご参照ください。

ニンジンのビタミンAで健康度アップ

 

レチノールを高含有する食品の代表がレバーです。

レバーの中でも、鶏(鳥)レバーと豚レバーです。

  • 鶏レバー100gあたり14000μg
  • 豚レバー100gあたり13000μg

ちなみに牛のレバーは桁1つ少なく、100gあたり1100μgを含むに過ぎません。

 

問題は、これらの食品で中毒量に達するかどうかです。

それには犬のビタミンA上限量を知る必要があるのですが、良い資料がありません。

 

ですので人の上限量を参考に、体重換算で犬の上限量を推測するのが良いでしょう。

私の薬剤師的感覚からして、それでだいたい大丈夫です。

ビタミンAの上限量

日本人の成人男性のビタミンA上限量はおおよそ1日2700μgですので、これを元にしてみましょう。

人の体重を60kgとして、犬の体重を10kgとしたとき、1/6量にすれば良いだけです。

 

するとこうなります。

体重10kgの犬が毎日食べていても大丈夫だろうという鶏レバーの量

約20g

 

かなり少ないですね。

日本人のために厚生労働省が発表した数字に基づいていますので、相当に慎重な数字です。

 

ここで言う上限量とは、耐用上限量のことで、ほぼすべての犬が健康を害することがないという量です。

そして習慣的に与えているときの量ですから、週に1日だけ140g与える場合は、まったくセーフといえます。

 

相当に慎重な数字なので、この2~3倍でもほとんどの犬は大丈夫でしょう。

好きな鶏レバーを取り上げてストレスになる方が体に良くありません。

 

ここまでは習慣的に続けていた場合のことです。

次に一度に与えられる限度量についてお知らせいたします。

犬のビタミンAの急性中毒量

一気に中毒を起こしかねないビタミンAの量についてお知らせいたします。

必ず中毒になる量というわけではないので、さほど心配せずにお読みください。

 

私の計算では、体重10kgの犬にビタミンA(レチノールとして)50000μgが限界なので、次の通りになります。

体重10kgの犬に一度に与えられる鶏レバーの限界量

約360g

 

 

上記の限界量を突破したからといって、すべての犬が中毒に陥るわけではありません。

ただ急性中毒は危険で、中毒死の可能性もあります。

 

また前述のとおり、ビタミンAには蓄積性があります。

350gなら大丈夫だといって、2日連続で与えてしまうと危ないかもしれません。

 

さらに360gという限界量はいくつかの要因によってさらに低くなります。

たとえば肝臓病、腎臓病を患っている犬の場合、もっともっと少ない量が限界になるはずです。

 

限界量が300gに下がるかもしれませんし、200gに下がるかもしれません。

いずれにしても上記疾患がある場合、無理なチャレンジはお奨めいたしません。

 

どうしてもビタミンAが欲しいときは、ニンジンを利用することも考慮してみてください。

ニンジンのビタミンAは、中毒を起こさないβ-カロテンです。

お時間がございましたら、こちらのページもご参照ください。

ニンジンのビタミンAで健康度アップ

 

貧血の改善(鉄分補給)を目的にするとき、牛レバーにしたり、豚の赤身肉に変更してみてはいかがでしょうか。

ちなみに植物性の鉄分は非ヘム鉄で性能が悪く、貧血改善作用はだいぶ劣ると思います。

 

おわりに。

レバーはある意味、薬に匹敵するほど優秀な食品です。
与え過ぎにはちょっと気をつけて、トッピング程度に食事に組み込んだとき、きっとご愛犬の健康度をアップさせるでしょう。

健康成分の研究

弊社ではペットを病気から守る健康成分を研究しています。

こちらでは肝臓の代表的な検査値であるALT(GPT)とALPについて、動物病院から提供していただいたデータを基にグラフ化しております。

詳しい解説はこちらのページから

飼い主自身でペットの健康を守りたいときの参考にしていただければ、たいへん嬉しく思います。

好評のペット健康相談、アドバイス

健康を真剣に考える飼い主様を、本気でサポートいたします。

好評を頂いている「ペット健康相談」をご活用ください。

・動物病院の説明よりわかりやすい!

・自分にはない考え方で目からウロコ

・さっそく今日から実践してみたい

・無料とは思えないレベルです!

みなさまからの嬉しいメッセージを糧に、創業からずっと無料で続けております。

獣医師から直接学んできた薬剤師がわかりやすく丁寧に回答します。

メール相談 問い合せフォーム
電話相談 0265-49-8934
LINE相談 LINEアプリで「メディネクス」と検索
対応時間 10:00-19:00 日祝は休業日

ペットの健康を掴み取るアイデアはLINEで

ご愛犬ご愛猫の健康を守るためには、正しい知識が絶対に必要です。

・なぜ治療が長引いてしまうのか?

・薬の副作用が気になる・・・

・自分でやれることを知りたい!

肝臓や胆泥、免疫低下、皮膚や口腔内のトラブルを根本的に解決させるためには

・動物病院に丸投げしないこと

・飼い主が積極的に関わっていくこと

ご愛犬ご愛猫もきっとそれを望んでいます。

大切なペットを健康にみちびく知識が得られます。
LINEアプリで「メディネクス」と検索してください。

-食事・フード・栄養

Copyright© メディネクス研究所 , 2024 All Rights Reserved.